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【2018年】ウイルスパンデミック対応新戦略提案

2018/12/13 市村

1.強病原性の新型インフルエンザはいつ出現する?

厚生労働省は新型インフルエンザの流行に備えて、医療従事者などが予防接種するプレパデミックワクチンのもとになるウイルスの型を変更する方針を決めたと報じました(6月16日新聞)。

世界的に流行するインフルエンザ型が変わってきたためで、変更は2006年度の備蓄開始以来初めてです。

国はこれまで、欧州やアフリカなどでヒトに感染が確認されてきた鳥インフルエンザのH5NI型のウイルスをもとに備蓄ワクチンを製造してきました。ただ近年は同型の感染者は減少する一方、中国などでは新たなH7N9型の感染者が増えています。

国が備蓄する1000万人分のうち900万人分のワクチンが19年度中に有効期限切れとなるため、厚生労働省は流行状況を踏まえて新たに製造するワクチンのタイプをH7N9型に変更するというのです。

これまで、H5NI型がいつヒト・ヒト感染型に変わるのかを予想できませんが、パンデミックを引き起こす可能性が最も高いウイルスと考えられてきました。

2013年3月、H7N9型の感染者が中国本土からでたことがWHOに報告されました。以後、増え続けて2017年7月25日現在までに、中国、台湾、マレーシア、カナダなどの患者を含め1557例が報告されており、そのうち少なくとも605例が死亡(致死率39%)しています。

国立感染症研究所とWHO北京事務所は

「限定的にヒトーヒト感染が起こっていることは否定できない」

という声明を発表しています。現時点ではヒトーヒト感染は確認できていませんが、鳥インフルエンザA(H7N9)ウィルスがヒトヘの適応性を高めていることは明らかです。政府はこのヒト型化ウイルスを新型と称しています。いつ出現するかは全く不明ですが、H5NI亜型ウイルスのように沈静化を期待しています。

2.ヒト型化新型ウイルスが出現するとパンデミックは避けられない!

新型ウイルスが出現すると、これまで経験したことがないほどの超パンデミックが必ず起こると専門家は警告しています。パンデミックが避けられない理由は次の通りです。

◇新しく作ろうとしているプレワクチンはヒト型化していないウィルスを使っています。

◇通常、ワクチンを接種しても発病を抑える有効率は60%ほどです。しかし、プレワクチンの有効率は不明です。

◇プレワクチン1000万人分の製造完了前に新型ウイルスが出現すれば大変です。。

◇プレワクチン製造後の新型ウイルス出現であっても、プレワクチン使用は医療従事者などに限定され、一般国民には及びません。

◇新型ウイルスは乳類で効率よく繁殖できること、飛まつ感染する能力をもつこと、致死的な感染を引き起こすこと、抗ウイルス薬に対する感受性が低いことが分かってきました(ヒ トと似た反応を示すフェレット:イタチの仲間の実験による)。

◇新型ウイルスの潜伏期間は10日程度であり、症状を出ない状態で感染者が行動しますので、飛まつ感染の可能性が拡大します(同上)。

◇国内外の人の交流状況から感染は急速のかつ加速的に拡大します。

◇新型ウイルスのワクチン製造には約2カ月ほどかかり、全国民にわたるまでには半年から1年かかります。

3.パンデミックの被害は想定以上か?

厚生労働省は国内感染者3200万人、入院は53万人、死亡者は17~65万人(致死率0.5~2%)と 想定しています。

感染者は高熱、咳から重症肺炎、重度の呼吸器障害を起こし、死に至ります。急増する患者に対応できる隔離入院施設も酸素吸入装置も全く足りません。

前述のように、ニワトリから感染した患者致死率は39%です。パンデミックを起こすと、多くは医療の手が届かない家庭内放置状態になり、致死率はさらに高まる可能性があります。遺体はニワトリのように穴埋め仮処分するのでしょうか。

同時に社会経済システム機能が崩壊し、想定外のパニック状態におちいることが懸念されます。なお、アジア風邪(N2H2亜型)、香港風邪(N3H2亜型)の致死率は0.5%ほどです。

4.新戦略

私は自然免疫の賦活とウイルス活性制御についての研究を行ってきました。

新型ウイルスの出現、ワクチンの製造から接種にいたるまでの感染被害即応対策とし て、実用化研究の早急推進を提案しています。

この提案はこれまでに行った研究の成果をもとにしています(当ホームページおよび拙著:BSE・凶悪ウイルスに勝つ、2006年小学館スクウェア、参照)。研究の概要は次の通りです。

 

◇無脊椎動物は自然免疫でウイルスなど異物侵入に対応します。異物の体内侵入にさいし、常時一様に免疫が稼働しているのではなく 、免疫担当細胞が異物を認識するとそれを攻撃するための反応が即起こります。

◇エビに免疫賦活剤を適正投与(投与量、投与期間、投与インターバルなど基礎研究)すると10日後には貧食能は600%程に高まります。この状態の体液を採取し、免疫賦活情報を機能水に転写し、この転写水を飼育水にすると、貧食能はほぼ同様に600%程に高まりました。
この転写過程は、免疫賦活剤投与→免疫賦活化体液→対立する2個の磁石間で記憶媒体(メモリーシート)に転写→体液除外→メモリーシートのみ装着の磁場で記憶媒体(機能水)セット→処置済み機能水を飼育水に使用→免疫賦活剤投与とほぼ同等の免疫賦活です(図8参照)。

◇細菌は一様に増殖活動をしているのではなく、条件状態により増殖を活性化したり、増殖抑制もします。

◇ウイルスも他生物の体内侵入後、条件状態により増殖活動の様相が変わります。増殖活性期の後、ウイルス群自体が活動を停止するなどの自己制御を行います。

◇ウイルスは培地培養ができませんので、ビブリオ菌を使い磁場における増殖状態を調べました。その過程は、磁石間にビブリオ菌とメモリーシートセット→ビブリオ菌除外→外磁場に培地セット→増殖を抑揚する場と抑制する場(反転場と仮称)のあることが分かりました(図4参照)。

◇次に、磁場間にビブリオ菌をセット→反転場にメモリーシートをセット→ビブリオ菌除外→磁場間に反転場セットのメモリーシートを磁場間にリセット→培地セット→増殖抑揚の場と抑制の場が前者とほぼ逆転することがわかりました(図5参照)。

◇免疫賦活転写機能水およびエビに対する強病原性のバキュロウイルス反転場処理機能水を含む海水を作りました。これを飼育水としてウイルス感染エビ生残率の実験研究を行いまし た。通常海水の対照区の感染エビは3日後にほぼ壊滅状態でしたが、試験区の3日後の生残率は80~90%で、10日後も80%ほどでした。

◇免疫賦活転写機能水中のエビは即免疫の賦活が始まったと考えられます。

◇ウイルス活性制御の基礎実験研究は行っていませんが、、数種のヒトのウイルス感染者に対する応用研究(エイズではCD4の急増とウイルス数の急減、QOLの改善、ヘルペスやイボの完治など、未発表)を行っています。

 

この技術は、物質の物体と物性を分離し、物性を伝達記憶する技術で、BIO―IT技術(生命情報伝達技術)と名付けています。

物質は姿・形の物体と性状性質でなりたっています。

すべての物質はテラヘルツ波帯の電磁波を発信しています。自然免疫担当細胞のウイルス認識と反応に、また、ウイルス自体の活性・不活性化メッセージ物質(エクソソーム)が深く関わりあっていると考えられます。

現在、ヒトのエクソソームは血管網を情報回路にしているといわれています。エクソソームはテラヘルツ波を発信しています。免疫賦活やウイルス活性制御が瞬間的に始まっています。

エクソソームは血管網を回路にした細胞間の伝達方式とは別に、テラヘルツ波伝達方式もあるのではと考えています。テラヘルツ波は水に吸収されやすく、かつ再発信します。ヒトやウイルスの細胞内水が媒体となってエクソソーム情報の瞬間的伝達を担っていると考えています。

新型ウイルスパンデミック対策にBIO―IT技術が適用できる可能性があると考え、この戦略を提案しました。この研究は専門家の協力を仰ぎ検証実験計画を策定することになるでしょう。

 

BIO―IT技術についての詳細はこちらで説明しています。

BIO-IT技術とは?(生命情報伝達記憶技術)

 

新型ウイルスの最大の脅威は飛まつ感染です。

最初の実験は、免疫賦活とウイルス反転情報転写水を投与した試験区フェレットを使い、飛まつ感染、発病率さらに致死率などの状態を調査し、ウイルス制御の可能性有無を確認したいと考えています。

ヒトの新型ウイルスの飛まつ感染とエビのバキュロウイルスの水界感染は、共に大流行を起こしやすい感染法です。エビの10日間実験終了後の検査でウイルスが検出されない個体がでています。

感染エビの対応は環境水を通した情報伝達ですが、フェレットやヒトでも2情報転写水(BIO-IT WATER)を個々体に投与し情報伝達ができますので、効果が期待できると考えています。

5.開発の意義

薬剤などを一切使用せずに、ウイルス感染を制御予防する基礎・応用技術研究はまだ緒についたばかりです。

ウィルス自体が行う生命現象活動制御および自然免疫賦活を誘発するテラヘルツ波の研究は、新しい疫学の道を切り開くであろうとに深い関心を抱いています。

そして、ご多発するウイルス ・細菌感染症対策など応用面で広く寄与するであろうと考えています。さらに、この新技術研究が子生物学から量子生物学への進展の糸口になれば幸いです。

以上。

 

 


以下参考図。

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BIO-IT技術開発者


理事長の市村武美です。

1957年東北大学院農学研究科博士課程修了、農水省研究機関勤務、マルハニチロ(株)(旧大洋漁業)主管研究員、沖縄海洋博アクアポリス館長を経て、「生命と水」の研究に専心。「人工生命水」を開発、つづいて独創的な『BIO-IT:生命情報伝達記憶技術』を確立。

薬剤を使わず免疫力を強化し、一方では、ウイルスなど病原体の働きを制御することに成功。

その理論と実証研究をまとめた「BSE・凶悪ウイルスに勝つ」を出版、分子生物学から電子・量子生物学への進展切り口として関係学会に大きな反響を呼んだ。

現在、感染症諸難病の予防治療や安全安心無農薬無添加食品生産などの研究に挑戦。BIO-ITは特許第 4183800 号。

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