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第73回BIO-ITの理論と実際【ウイルス制御思考】

2019/7/13 市村

 

ウイルス制御思考


(反転写の半てんに包まれて、ウイルスさん暴れるのをやめてゆっくりお眠り)

第73回定例会

 

 Ⅰ.トリ・インフルの恐怖、人口崩壊の危機

中国で養鶏関係者のH7N9亜型の感染が広がっていますが、2018年以降感染者数を発表していません。ヒトからヒトへの感染、ヒト型化も疑われています。フェレット(イタチ類の実験動物、ヒトに似た反応を示す)を使った実験(東大、医科学研究所)で、①飛まつ感染、②気道などに定着しやすいタイプに変化、③死亡率70%が明らかになっています。

今年、香港AH3N2(季節型インフル)、シンガポールAHINI型が流行しましたが、死亡率とは大ケタ違いです。国はH1N5型のヒト型化対応のプレパンデミックワクチンの製造を止めて、今年からH7N9亜型のプレワクチンの製造に変えています。このワクチンの効果の程度と生産量、抗ウイルス薬の量などから、パンでミックを防ぐ手立ては見つかっていません。

以下、私のインフルエンザウイルス対策制御に関する理論研究報告です。

 

1.流行と気温

今年1月から2月中旬にかけて全国的に流行のピークに達し、その後急速に終息しました。

日本南北の月平均気温(°C)


1月 2月 1月,2月の差 3月 2月,3月の差
青森県 -1.2 -0.7 0.5 2.4 1.7
東京都 5.6 7.2 1.6 10.6 3.4
鹿児島県 8.5 9.8 1.3 12.5 2.7

 

2.気温変化の感受と遺伝子への伝達

ウイルスの活動は気温そのものよりも、気温の日変化を感じていると推察されます。ウイルスの塊の成分は水が大半で、たんぱく質と脂肪を取り囲んでいます。活動を止めているときは非生物、活動中は生物の特徴をもっています。

人体侵入前のウイルスの体内水は環境気温と同じになり、気温の日変化を感受するのです。それだけでなく、その後の「気温急上昇を予知」する機能をもっていると推察されます。この予知をもとに、動物性遺伝子のスイッチをオフに押し、単なるたんぱく質になり、次の機会にオフを解除しするという仕組みです。ウイルスがもっている「すべての遺伝子のエピゲノム現象」と考えられます。

 

3.BIO-IT処置と遺伝子スイッチ

海老の実験

上記の図1はエビの実験です。バキュロウイルスの強度強制感染処置をすると、対照区では3日後にはほとんどが死滅します。試験区のBIO-IT処置飼育水では3日間で死ぬのは20%程で、80%程がその後も生き続けます。このことはウイルスが反転情報を感受して動物性のスイッチ・オフを押し、活動を停止したと理解されます。養殖場の現場実験で、感染予防の可能性を示唆する成果をあげています。

 

Ⅱ.ヒト型化が進むウイルスの対応

1.優先研究対象種、H7N9亜型

現在みられる多様な病原性ウイルスは、種により気温以外に何らかの情報を刺激として感受し遺伝子のスイッチのオン・オフを操作していると推察されます。

現在、弊法人が対応しているのは、エイズウイルスやイボウイルスやヘルペスウイルス会員に対するBIO-IT処置で、効果(委細割愛、ホームページ参照)をあげてますが、組織的な研究ではありません。他のウイルスを含めた反転写伝達(BIO-IT処置)による遺伝子のスイッチオン・オフの検証研究をすすめる必要があります。

しかし、なにより優先すべき研究は飛まつ感染機能を獲得H7N9亜型に対する検証研究です。

 

2.予防の可能性研究

インフルエンザウイルスの細胞内・核内侵入を防ぐ技術はありません。核内増殖を阻害する薬剤と、核内で増殖したウイルスが細胞から飛び出すのを阻害する薬剤は開発されています(前回報告)。

新顔のウイルスが体内の侵入したとき戦うのは自然免疫だけです。エビの免疫賦活研究から、ウイルスと戦う免疫の賦活を予防の第1にあげれられます。これに加え新しい第2の予防は、ウイルスと戦うのではなくウイルス自身に非生物変身へのスイッチを押させる戦術です。

この生物実験にフェレットを使うことを考えています(実験構想は割愛)。この研究は最も重要な課題であり、他のウイルス種対応に資することでしょう。

 

《以下参考》

1.ブリとヒトのエピゲノム

a.ブリは夏季のわずかな水温下降を感受し、その後急低下し続け冬季の12°C を予知し、真夏なのに摂取したエネルギーをの使い方を体長の伸びをひかえ、太りに回すという研究です(下記図2参照)。

ブリとヒトのエピゲノム

 

他の温帯の表層魚も同じ成長パターン です。熱帯海域ではブリの成長パターンが変わります(下記図3参照)。

ブリとヒトのエピゲノム

 

b.ヒトのマユ・マツ・ワキや毛陰はある成長段階で成長が止まります。マユ毛だけは男子が高齢になると成長を再開します。私も。 女性は? 性ホルモン刺激し、自己が遺伝子スイッチをプッシュ?

 

2.ウイルスの構造

a.粒子の中心にあるウイルス核酸と、それを取り囲む「カプシド」と呼ばれるたんぱく質の殻で構成されています。

b.インフルエンザウイルスや単純ヘルペスウイルスやヒト免疫不全ウイルスなど一部のウイルスは「エンベロープ」と呼ばれる膜状の構造で、ウイルス核酸とカプシドたんぱく質を覆っています。

エンベロープたんぱく質が細胞側のレセプターと結合した後、ウイルスのエンベロープと細胞膜とが膜融合を起こすことで細胞内に侵入します。 エンベロープは大部分が脂質ですので、消毒用アルコールや石けんなどで処理すると容易に処理されます。

第73回定例会

以上

BIO-IT技術開発者


理事長の市村武美です。

1957年東北大学院農学研究科博士課程修了、農水省研究機関勤務、マルハニチロ(株)(旧大洋漁業)主管研究員、沖縄海洋博アクアポリス館長を経て、「生命と水」の研究に専心。「人工生命水」を開発、つづいて独創的な『BIO-IT:生命情報伝達記憶技術』を確立。

薬剤を使わず免疫力を強化し、一方では、ウイルスなど病原体の働きを制御することに成功。

その理論と実証研究をまとめた「BSE・凶悪ウイルスに勝つ」を出版、分子生物学から電子・量子生物学への進展切り口として関係学会に大きな反響を呼んだ。

現在、感染症諸難病の予防治療や安全安心無農薬無添加食品生産などの研究に挑戦。BIO-ITは特許第 4183800 号。

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