NPO法人 BIO-IT研究開発機構
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第89回 BIO-ITの理論と実際~もうすぐ92歳、まだやれる~

~もうすぐ92歳、まだやれる~

海の画像

2022/7/18

市村武美

 

はじめに

1年ほど前に「私の終活:人生のエンデングを通じ、自分らしく、今よりもよく生きるための活動」を始めました。今年の1月、脳の新型コロナウイルス感染の実験研究を行いました。ウイルスの発信情報を転写したメモリーシートを手のひらに置いたとき、また、その反転情報転写した機能水を手にしたとき、指の力の減衰と増幅に影響することを確かめました。脳の自律神経指令伝達が変わったのです。

先日、山中伸哉先生のVWとNAT1についてのテレビを視聴しました。ビジョン(長期的目標)とワークハード、そしてES細胞が機能を果たすために不可欠なNAT1遺伝子についてです。我がことばかりで夢中で、今まで知らなかった講話に感動しました。

私のVWは生命情報科学にかかわるビジョンであり、その概要を書き残すことが終活の仕事と感じています。

 

生命情報科学の未来と展望

従来の生命情報科学(Informatics))はDNAやRNA、タンパク質をはじめとする、生命がもつ様々な「情報」を対象に、複雑なデータに埋まれている生命現象(物質代謝や成長、運動、知覚などの諸現象)を情報科学や統計学などアルゴリズム(手順や計算法)用いて説き明かして行く、生命科学と情報科学の融合分野です。

生体は、DNA、RNAやタンパク質などの体内情報報だけでなく、生体外の諸情報も刺激として受け止めています。生命維持に必要な情報は記憶して生命活動を円滑に行っているのです。これらの体外情報を包括した生命情報科学が生命科学の主軸になり、生命の本質に迫るのではないかと考えています。

 

1. 成長、知覚、行動などへの外部刺激

水産生物の生態研究や養殖技術研究を通じて多くのことを学びました。ブリの養殖を通じ摂取エネルギー、水温知覚、成長について特記したいことがありました。ブリの幼魚期は1日3.2mm程成長します。温帯海域(宇和海)で飼育ブリと熱帯海域(奄美大島)で飼育のブリは同じです。しかし、盛夏の宇和海と奄美の表面水温が同じですが、宇和海のブリの伸びが急速に落ちて、秋に近づくと背が伸びない山型の成長カーブを描きます。そして、翌春に成長が再開し、前年よりは低い山型のカーブになります。3年目はさらに低い山型です。ブリは数年間の生涯を多くの山型成長をするのです。

一方、奄美のブリは生涯、成長の山は生涯一つです。ここまでは何か当たり前のようなことです。しかし、奄美の幼魚を宇和海に移動する途端に宇和海型になります。この幼魚を再び奄美に戻す奄美型に変わります。さらに宇和海に戻すと宇和海型の成長になります。成長移動前までのパターンの記憶は忘れさってしまうのです。ブリは摂取したエネルギーを基礎代謝と背の伸びと太りに使います。宇和海のブリは真夏の高水温下でも秋の水温低下を感知して、エネルギーを太りに傾く割合が増えるのです。

ブリの脳指令がどのようにはたらくのでしょうか。遺伝子との変わりあいがあるのでしょうか。ただ、長期の水温変化を予知した生命活動なのです(仙著参照)。鮭の稚魚は母川を知覚・記憶し成魚になって回帰します。プリや鮭は事物(事象・物質の情報)を記憶して生命活動をします。

 

2. 生命情報の記録に挑戦

1993年、東支那海国際海洋牧場の夢に見切りをつけ、独特の機能水(パイウォーター)と生命情報の研究(生命現象・生命活動に影響を及ぼす情報と反応・対処の研究)に第2の人生の仕事と決意し、1994年私設研究所を設立しました。

パイウォーターは特殊な鉄化合物、2価3価鉄塩を微量含む水で、生物の増殖など生命活動に影響しますが、確実性などに疑問がありました。また、物性を記憶する特性もあります。脊椎動物には病原体の物体から性質を分離記憶する獲得免疫という生体防御機能があります。脳記憶とはことなる病原性を記憶する機能です。磁気処理により録音や録画記録・再生のように、病原性記録を目指したパイウォーターの研究です。

磁気装置:N極とS極が空間を挟んで対立する2個の磁石A・B(磁気デバイスという)です。A.Bが個々の磁石としてはたらくと同時に、中間にゼロ磁場をもつ、一つの磁石としてもはたらきます。このため外磁場の磁力線は複雑になります。

デバイス処置:デバイスの磁極A・B間にメモリーチップ(パイウォーター処理した記憶媒体)をセットし、患部をAとBで挟み、外磁場に置いたパイウォーターを患部に塗布したうえで磁気照射する処置です。

当初のデバイス処置は研究支援協力者の本人および関係者が対象でした。

1996/1/13筋ジス(57歳女性)の歩行修復、
1998/9若年性リューマチ(12歳女性)の激痛軽減の修復をあげました。
1998/10/3顔面頭部の重症皮膚炎(23歳女性)の短期修復、
1998/11/17スモン病強度弱視(26歳男性)のTV視聴や交通信号判断などの全く想定外かつ即効的改善効果をあげました。
体験者の友人家族のクチコミで来所者が増えました。

 

3. ウイルス感染処置の研究

1966年下関水産大学校免学講座の高橋教授の研究協力が得られ、エビのバキュロ・ウイルス感染が大流行、効果的な対処法・薬の国際的な模索とは別に、磁気デバイス、メモリーチップおよびパイウォーターを使ったウイルス対処研究を開始しました。同時に卒論生のビブリオ菌の磁気影響について実験研究を補佐、外磁場の中にコロニー形成を著しく抑制する場があること確認しました。この場を反転場と名付けました。

1997年バキュロ・ウイルスに対しても反転場処置による増殖制御に成功しました。ウイルスと言う物質から増殖停止情報を分離、記憶媒体(メモリーシート:メモリーチップの改善)に、さらに機能水記憶に転写、ついで飼育水に転写から感染クルマエビ転写という実験成果をあげました。

前述4疾病事例の改善は反転場処置によって起こったと推察されました。その後、ヒトのウイルス感染症である帯状疱疹、イボ、エイズ、インフルエンザや新型コロナウイルスなどの感染症対策処置の実備を搭信しています。

2021年には新型コロナウイルスが発信する情報を脳が感知すること、また反転情報も感知することが確認できました。ウイルスそのものではなく、ウイルス発信情報を記憶した記憶媒体(メモリーシート、BIO-IT WATER)を手のひらで感受したのです。ウイルス受容体ACE2はウイルスに触れて感知するもので、明らかに様式が異なる情報の感知です(第88回定例研究会資料参照)。

 

4. 病状記憶と反転場処置

内因性疾病の患部も血液は、正常とは異なる情報を発信していると考えられます。磁気デバイスを使いメモリーシートにこの情報を転写・記憶し、その反転情報を照射(この処置をBIO-IT処置と名付けました)による病状改善寄与の事例を蓄積しています。BIO-IT処置の要望者が急増、2008年にNPO法人BIO-IT研究開発機構を設立、会員限定のサービス業務を開始しました。

1996/1/13~2018/4/15までの27年間にBIO-IT処置病種数は91種、処置事例数は467件です。この内訳はガンが18種116件、生活習慣病高齢者疾患が20病種223事例、難病が19病種84事例、細菌ウイルス性疾病が9病種、31事例、その他の内因性疾病が17病種29事例、外因性疾病が6病種11事例です。

BIO-IT処置を行うと、生体の機能改善が組織再生に先立つという現象が起こります。2011年の統合失調症、2013年の筋ジス、2014年の頸髄不全損、2015年の緑内障、2016年のよる網膜色素変性症など、現代の医学処置では対応不可の疾病に対し、BIO-IT処置では想定外の即効的成果をあげています。

 

5. 磁気デバイスの機能の本質

a. 性質の分離

磁気デバイスの機能は物質が持っている諸性質を分離することがウイルス対処研究など、さらに新型コロナウイルスの記憶媒体の脳感知から明白になりました。電磁気学に無知なため独自の発見と思い込んでいましたが、そうでないことが後になって理解できました。

参考:磁気と生物:高橋不二雄著1996年やアーサー・I・ミラー著

阪本芳久訳2010年【物理学者パウリの錬金術・数秘術・ユング・心理学をめぐる生涯:微細定数137:宇宙に存在するものすべてを束ねている根本的な数の一つ】を読んで、無学の己を知りました。

19世紀中頃M・ファラデーが磁石の磁極と磁極の間に原子を置くと、エネルギー準位に変化が起こり原子から放出される電磁波のスペクトル線が分裂することを発見しました。1896年。P・ゼーマンはこの論文をみて研究をすすめ、スペクトル線がさらに多くの線に分裂することを確かめました。この現象をゼーマン効果と名付けられました。その2年後、ゼーマンが弱い磁場で実験してみると、スペクトル線はさらに多くの線に分裂したのです。この特異な現象は「異常ゼーマン効果」と呼ばれています。

NMRIやESRは有機化合物の構造を極めるのに有効な測定手段で、この方法は物質の気的性質の一つゼーマン効果が使われています。

磁気デバイスを使いウイルスや疾患者の血液、さらに患部が放出する電磁波を分裂(性状の分離)し、それを記憶し、生体に伝達し、医学的利用を開発したのは世界初ではないでしょうか。磁気デバイスは磁力400mTまたは500mTのものを使用しています。これが強い磁場なのか、弱い磁場のかは分かりません。200~300mTのデバイスを試験的に作ってみましたが反転場の作用があることを確かめています。利用目的に適切な磁力については追求していません。

 

b. 性質の記憶

病原体や内因性疾病の記憶は磁気記憶であろうと思っていました。人工細胞内水の定性および定量分析をICP-MS法(高周波誘導結合プラズマ質量分析法)で行いましたがFeは検出できませんでした(2009/9)。人工細胞内水はFeの計測不能な超微量であり、常磁性体(外部の磁界を取り除いたらほとんど磁化が残らない物体)なので磁気記録ではありません。特定情報転写処理したBIO-IT WATERを使って複数種のセラミックスをつくっています。セラミックスは特定情報を記憶し、処理水に伝達し、さらに生体に作用し、磁気記憶でない証左です。

 

6. 情報の伝達

シグナル伝達(何らかの形の生化学的情報:生化学的シグナル:単にシグナルという)システムが支障した疾病にBIO-IT処置を行った事例を蓄積しています。特に神経系疾病体に反転情報を照射すると即生体反応を起こします。また、BIO-IT WATERを物体に塗布すると情報が記憶され、その物体に接触すると情報が伝達され、生命現象に変化を及ぼします(コロナのメモリーシート接触→脳神経→自律神経→指の力変化)。BIO-IT処置による体内や他の物体に伝達する方式は生化学的シグナルではなく物理学的シグナルであり、このシグナルの本質はテラヘルツ帯の電磁波であると考えています。

 

7. 疾病情報の反転写と遺伝子

a. 新療法の創出

ダイレクトリプログラミングという組織機能の修復法があります。その1例が、頸髄損傷をあたえ、脳からの神経伝達が切れたマウスに遺伝子ニューロD1を導入する実験研究です。遺伝子導入により痕跡化した神経幹細胞を刺激して復活させ、ミクログリア(神経幹細胞から神経細胞と一緒にできた細胞)細胞を初期化して新たな神経細胞をさせ、脳の信号がつながったという実験研究が報じられています。

一方、頸髄不全損会員のBIO-IT処置(患部および血液からの情報反転写処置)により指の運動機能がほぼ即効的修復を実現しました。反転写情報照射はニューロD1導入に相当するはたらきをし、エピゲノム(一つの遺伝子がオン・オフ)現象を引き起こしたと考えています。眼の難病など多くの内因性疾病の反転写照射事例があり、薬剤使用や外科的処置を行わない全く新しい療法の創出に期待しています。

 

b. BIO-IT処置の本質

高齢化にともない成人病・生活習慣病(ガン、心疾患、脳血管疾患、尿病、高血圧性疾患、肝硬変、慢性腎疾患や認知症など)が増えています。これらの疾病会員のBIO-IT処置による改善事例を蓄積しています。認知症のBIO-IT処置は4事例ですが、疲労感、腰痛、膝痛など処置は数10事例があり、即効的な修復の成果をあげています。WATER服用の多くの会員から、外科手術後、ケガ、火傷などの痛み整備・修復加速や爪の伸びなど報告されています。

人体は60兆個、200種ほど細胞でなりたっています。個々の細胞には寿命があり、幹細胞が新しい細胞を生み出しています。しかし、年齢とともに幹細胞は急速に低下、新生児を1とすると80代では1/200まで減少するといわれています。また、生体内情報伝達システム(脳神経系、内分泌系、免疫系)の乱れが起こります。臓器細胞からイクソソームというメッセージ物質を放出して臓器間の情報伝達をしています。各臓器は情報を発信し、相互に連携していることがわかってきました。古くから、肝胆相照らすや肝腎かなめといわれているとおりです。

BIO-IT処置は衰退した幹細胞の賦活と恒常性(元の正常状態に戻す働き)の乱れをただす作用をするのです。このような働きは低減した人工細胞内水の補足と疾病の反転情報照射が原動力になっていると考えています。

 

おわりに

生命情報の記憶をめざしたビジョンから30年が過ぎました。まだ科学界からの認証は得れていませんが、生命科学とその応用の未来に明るい可能性を見いだせるものと自負しています。

今後の終活というワークハードはウイルスの活性制御研究と考えています。今、オミクロンの新系統BA5が世界で猛威をふるっています。デルタ株のような、あるいはそれ以上の高い致死性をもった新たなオミクロン系統、新たな変異株、新たなコロナウイルス種などが陸続出現する可能性はおさまっていません。さらに強病原性のインフルエンザウイルスやエボラ出血熱ウイルスの逆襲もいつ起こるのかまったく予想できない現状です。これからの終活の目先の目標はBA5の制圧ですが、多くのウイルスに適用できるBIO-IT技術開発に献身する所存です。協力・共同研究組織を探しています。

以上

BIO-IT技術開発者


理事長の市村武美です。

1957年東北大学院農学研究科博士課程修了、農水省研究機関勤務、マルハニチロ(株)(旧大洋漁業)主管研究員、沖縄海洋博アクアポリス館長を経て、「生命と水」の研究に専心。「人工生命水」を開発、つづいて独創的な『BIO-IT:生命情報伝達記憶技術』を確立。

薬剤を使わず免疫力を強化し、一方では、ウイルスなど病原体の働きを制御することに成功。

その理論と実証研究をまとめた「BSE・凶悪ウイルスに勝つ」を出版、分子生物学から電子・量子生物学への進展切り口として関係学会に大きな反響を呼んだ。

現在、感染症諸難病の予防治療や安全安心無農薬無添加食品生産などの研究に挑戦。BIO-ITは特許第 4183800 号。

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