2019/9/17 市村
第3の生体防御をウイルスから学ぶ
昨今、医療はiPS細胞移植を初めとして、抗体医薬、遺伝子医薬、さらに医療とAIを融合した「メデテック」などが日進月歩の進展をとげています。
金融とITを融合したフィンテックが金融界を大変革したようにメデテックを利用すれば医療機器や創薬分野などの分野で医療革命をもたらすと期待されています。
8/31~9/1、横浜でアジア・アフリカ感染症会議が開かれました。ガンや認知症などの内因性疾病に対し、細菌やウイルスなどの外因性の感染症は流行すると多くの命を奪います。
世界三大感染証はHIV180万人、結核170万人、マラリア78万人です。近年、多様なウイルス性疾病が頻発し、とくに強致死性の新型トリ・インフルエンザウイルス出現の可能性が懸念されています。
新しい医療研究が進められていますが、現在、ウイルスの体内に侵入を防ぐ医薬品も、侵入ウイルスを除去する医薬品・療法もありません。この国際会議でも重視されたのは「ワクチン」です。
流行時の事前ワクチン投与は感染後の発症と病状の進行を制御する有効な手段です。しかし、ワクチン投与によって出来る抗体とウイルスとの戦いは両者の力関係で、抗体が必ず勝つとは限りません。
前回の定例研で取りあげました、BIO-IT処置によるウイルス対策について、さらに推論を進めています。
ウイルスの目線で考えてみましょう。インフルエンザウイルスは酵素系の薬剤に対して素早く感知し、薬剤の機能に対抗し変異体に変身します。
ウイルスも生きる?ために必死?の努力を払うのであって、これは明らかにウイルスの防御ディフェンス法であり、ヒトや高等動物の自然免疫と違うシステムと推察されます。
《参考》自然免疫は①きっ抗分子が細菌やウイルス等の病原体に作用し、穴を明ける、溶融するなどして病原体を処理する。②食細胞が病原体を貪食、処理する。
パソコンでウイルスのデフィンスを検索してみました。このウイルスはコンピーターウイルスの事で、病原体の記事は見当たりません。ウイルスがデフィンス機能をもつことについて学者は分かっているでしょうが、ウイルスの薬剤感知とデフィンスのメカニズムについては探求されていないのでしょうか。
であれば、BIO-IT処置(ウイルスの生物性=細胞核内で増殖活動、体外へ脱出活動、ウイルスの非生物性=沈静をウイルスの遺伝子自体にさせるのではなく、反転写電磁波勝者伝達で行う)の事例蓄積とこの仮説の検証できれば、自然免疫、獲得免疫以外の第3のデフィンス法を開発したことになります。
今年2月から、70年にわたるライフワークの概要取りまとめを始め、7月末に初稿を書き終えました。これをもとにして、2016年出版に次ぐ、BIO-IT技術開発のすべてを11月末までに出版することが決まりました(題名は未定、株式会社ヒカルランド)。
政府は、暮らしや産業を一変させる可能性を秘める「破壊的イノベーション」を生むため、ムーンショット型研究開発制度を新設しました。
小林喜光(三菱ケミカルホールデング会長)座長をもとにした委員会で25の目標候補を選択中、うち9候補を7月29日発表しました。本年度末にも研究プロジェクトの公募を始める見通しで、5年間で1000億円を投じる計画、最大10年間支援すると報じています。
出版を機に、化学薬剤を一切使用しない新療法が開発テーマにあげられるよう期待しています。
以上
- 50年までにサイボーグ化技術の実現(人間拡張技術)
- 40年までに移動の完全ユビキタス化を実現
- 40年までにほぼ全ての人のほぼ全ての行為と体験をアバター経由で実現
- 35年までに高齢者のQoLを劇的改善
- 40年までに予防措置・ウエルネスが主流となる生活の実現
- 40年までに「どこでも医療アクセス」実現
- 40年までに農林水産業の完全自動化を実現
- 40年までに建設工事の完全無人化を実現
- 50年までに現在の1/100の資源ロスで現在の生活水準が維持可能な工業生産・利用の実現
- 40年までに、単位計算量当たりエネルギー消費を1/1000に
- 60年までに持続可能なエネルギー独立の達成
- 50年までに完全資源・物質循環の達成
- 50年までにフード・ロスをなくし、全ての人々に必要な食料を効率的に届ける
- 50年までに地球上からの「ゴミ」の廃絶
- 50年までに環境中立で最高水準の生活を可能とする大都市の実現
- 50年までに生物多様性を増大させる農業を地球規模で実現
- 50年までにテラ・フォーミング技術を確立
- 50年までにノーベル賞級の発見を自律的に行うAI&ロボットシステムの開発
- 50年までに生命現象をデジタルモデル化し、その制御を実現
- 50年までに人工冬眠技術を確立
- 50年までに全神経回路網とその関連組織を完全デジタルコピー/モデル化
- 50年までに汎用型量子コンピューターネットワークを実現
- 50年までに海洋・地下を網羅的・高精度に測定し可視化・監視
- 50年までに太陽系内全天体等の定常的観測網とサンプルリターン体制の構築による宇宙状況監視の実現
- 35年までに宇宙空間で稼働する高機能・多自由度ロボット・人工衛星群の開発
量子センサー:炭素の結晶の中に不純物として窒素を加え、内部に微小な空間を生む特殊な構造、大きさは3mm。ここに含まれる電子の「スピン」と呼ばれる棒磁石に似た性質が、周辺の状況によって敏感に変化します。
緑色の光を当てると赤く発色します。超小型センサーとして細胞の中をねらった場所に送り込めます。これまでミトコンドリア等の小器官までが精一杯でしたが、もっと小さいたんぱく質やDNAを対象にできます。
そこで蛍光の明るさの変化などを計測して局所的な温度や電気、磁気などの情報が得られます。認知症の原因となる異常なたんぱく質は神経にどう影響を与えているのか。正常な細胞ががん細胞になる過程で何が起きているのか。量子力学を活用した計測技術が威力を発揮します。
いまだなぞの多い生命現象の核心に迫り、新しい治療法の開発などに役立てるのが目標。光合成するさい、光を受けた電子のエネルギーに変換して集める過程に、量子の特性がかかわりあっているとみられています。
また、DNAの突然変異などに関与している可能性も指摘されています。
量子力学を生命科学の研究に生かそうという動きは、英国で12年前に初の国際会議が開催され本格化しています。その機運は日本でも高まり、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(千葉市)にこの4月新しい組織として「量子生命科学領域」が発足、約1
00名の研究者が所属しています。
また、関連する分野の研究者で組織する「量子生命科学会」も誕生しました。
個別に発展してきた量子力学と生命科学を融合する研究は、新たな地へいを切り拓くのでしょうか。壮大な挑戦が始まろうとしています。